経済学部
『教員に見る、摂南大学経済学部の学び』VOL.16 野口ゼミ
人類が直面する環境問題から
経済社会の変化や
新しい時代の価値観を学ぶ。
◆野口義直 准教授
地球温暖化は、18世紀産業革命以来の化石燃料の大量消費が原因とされています。この問題の解決には、石油などの化石燃料に依存しない脱炭素社会の実現が不可欠。それには、例えば自動車産業ならエンジン自動車から電気自動車へ、エネルギー産業では化石エネルギーから再生可能エネルギーへ、産業構造の大きな転換が求められます。しかし、産業構造の転換はそんなに単純には進みません。なぜなら、多くの産業の利害関係の対立があるからです。こうした環境問題と資本主義経済の関わりについて私は研究しています。ゼミでは、前述の「エンジン自動車から電気自動車への移行」をはじめ、「原子力発電」「再生可能エネルギーの普及」「食品廃棄物問題」など、環境問題に関わる経済や産業の変化について取り組んできました。
人類が直面している環境問題は深刻ですが、これをきっかけに経済社会が変化しようとしていること、また、政府、企業やNPOなど、多くの人々が問題を克服しようと前向きに取り組んでいることを理解してほしいと思います。また、「持続可能な開発目標(SDGs)」が今後日本でもますます重要となり、企業も単に利潤を追求するだけでなく、人類の幸福への貢献が評価される時代となります。こうした価値観を学生時代に学び、ぜひ企業や社会で活かしてほしいと思います。そして、経済学以上に、まず現実の政治や経済の動向に関心を持ってほしいというのが私の願いです。例えば、大学時代に新書を400冊読めば、どんな企業の面接でも自己アピールできるのではないでしょうか。大学4年間で圧倒的な教養を身につけてほしいと思います。