本文へ移動

お知らせ

 2020年12月12日、大学英語教育学会(JACET)オーラルコミュニケーション研究会主催の第25回Oral Communication Festivalに、国際キャリアコース2年生English for Specific Purposes (国際教養)クラスが参加しました。このイベントは、国内各地の大学生が英語での演劇やプレゼンテーションを行い、相互にコメントを交わすものです。例年は対面ですが、今年度は初めてオンライン開催となり、事前に制作した動画をウェブ上でライブ上演してコメントを送り合いました。仙台、東京、神奈川、名古屋、京都、大阪、鳥取の各地から参加がありました。

 外国語学部のESP(国際教養)のクラスは、今年度は海外の情報を英語で理解してわかりやすい日本語に翻訳したり、日本の情報を英語で海外の人に伝えたりする練習をしていました。このフェスティバルのために選んだ題材は、ラフカディオ・ハーンが日本文化について書いた『Exotics and Retrospectives 』(1898)という著作の中の 「Insect musicians」の項です。虫の音を愛でる文化を、現代の海外の人に伝える5分の情報番組のようなプレゼンテーション動画を用意しました。

 制作過程では、原文の英語の理解以外に、想定ターゲットに合わせて追記すべき背景情報を選んだり、効果的な表現方法を考えたりせねばなりません。日本文化とはいえ、100年以上前に書かれた状況は今の大学生がよく知らないこともあります。作者のキャリアや、江戸時代の地名や習慣、地理関係を伝える地図、鈴虫の音源などを探しました。また、情報を伝える場合にずっとナレーションでは見る側が飽きてしまうので、エピソード部分を再現ドラマとして作りました。さらに、作品を一旦You Tubeにアップロードすることになったため、画像や音響効果の版権にも、対面ライブ発表の時より厳しい制限がありました。

 後期の授業ではハイブリッドの回もありましたが、2度の音声収録日には全員が別の場所からZoomで参加しました。生活環境音が入らないように、それぞれが工夫しました。前期から同じメンバーのクラスだったこともあり、役割分担や協力はスムーズで、遠隔でも協力して何かを制作できるのだと実感しました。

 フェスティバル当日は他大学の様々なスタイルの発表がありました。サスペンス、Vlog(ブログの動画版)スタイルの観光案内、ミュージカル、ビーズアニメと実写のハイブリッド、巨大ペープサートの読み聞かせ、など、似ているものはありませんでした。その中でも、摂南大学のプレゼンは、ジャンルとしても珍しい、英語で日本の歴史文化を語るものとして楽しんでもらえたようです。

写真 上:再現ドラマの主人公Chuzo(イラスト:中 優梨香さん)
写真 下:制作過程のある日の授業風景

Insect Seller [SU ESP] for OCF2020 https://www.youtube.com/watch?v=bbNnRiSziR8

原作の文章はプロジェクト・グーテンベルグのサイトで読めます。 https://www.gutenberg.org/files/42735/42735-h/42735-h.htm

(齋藤 安以子 教授)

お知らせ一覧へ