「奥伊吹やまのめぐみプロジェクト」前期活動について
このプロジェクトは、滋賀県米原市の山間部にある甲津原をフィールドにしています。ここは、典型的な過疎高齢化地域です。新型コロナの感染拡大にかかる非常事態宣言を受け高齢者の多い地域での活動を見合わせたため、2021年度前期は6月19日~20日と7月10日~11日の2回しか現地入りできませんでした。それでもさまざまな学びがありました。
おばあさんたちが営む「つけもの加工部」でのお手伝いは、梅の実の収穫と水洗い、色付けのための赤紫蘇の葉ちぎりと塩もみ、昨年漬け込んだ梅干しや味噌の計量と包装など多岐にわたります。営農組合のおじいさんたちは、1台300万円の斜面用自動草刈り機や200万円の農薬散布用のドローンを操ります。学生らは、イノシシやシカ除けの電気柵の設置作業をしながら、過疎高齢化地域だからこそ進むIT技術の導入を見て驚くばかりです。お昼ご飯は、地元のお米と具沢山の味噌汁と漬物の盛り合わせ。これだけで何回もおかわりできるほど美味しいです。出会うものすべてが新鮮な驚きと学びに満ちています。作業の合間には、おばあさんやおじいさんが生き生きと土地のことを教えてくれます。学生ができる地域貢献は、知ったかぶりの提案ではなく、教えを乞うことだと実感できます。
さて、9月から始まる後期には、稲やソバの収穫、トチの実拾い、獣害除けの電気柵の撤収など様々な作業があります。季節と暮らしの移ろいを感じながら地域社会や農業や自然を感じ学べる極上のフィールドが待っています。