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【COLLABO-Yuraゼミの最終報告会を実施しました】
研究支援・社会連携センターは3月16日、2020年度から2年にわたって和歌山県由良町職員の人材育成を学術面から支援してきた「COLLABO-Yura 」ゼミ(延べ28回)の最終報告会を実施しました。当日は同町地域整備課の川崎翔太氏がこれまでの学びについてプレゼンテーションを行い、指導にあたった経済学科の野長瀬裕二教授が講評を行いました。
「COLLABO-Yura」は、由良町の人口を増やす事を目的に①町職員と大学の研究者の連携による地域課題の事例研究と分析、②摂南大学内外の知的リソースとの連携推進、③地域経済の活性化や地域活力の維持向上のための政策検討を行うゼミとして発足しました。
川崎氏は月2回延べ28回行われた野長瀬教授のゼミを通して、町内企業の財務分析やどのようなインフラが町内に必要かを学ぶインフラ分析、他の自治体や同町の比較分析を実施し、同町の人口の中で20代~30代の子育て世代が最も少ない事に着目しました。そこで具体的な施策を立てるため、「女性が輝くまち由良町アンケート」を実施。20代~30代の女性をターゲットとし、町での生活で困っていること、便利だと感じること、幸福と感じることなどについてアンケート調査を行いました。回答者の多くは県外生まれで、結婚などを機に移住してきており、スーパーが少なく薬局が無いなどの商業施設の課題やライフラインの課題、道路の狭さといった交通インフラに課題があることなどが分かりました。一方で、同町が支給する5,000円のおむつ券や医療費が18歳まで無料といった子育て制度が充実しているなどの利点、家族や子供と過ごす時間に町民が幸せを感じているといったことも調査によって見えてきました。今後は、「教育インフラの向上として、子育て世帯が多い地区の公園整備に着手し、町民のQOLと満足度の向上を図ることを計画しており、由良町は女性の意見を施策に反映させ小さくても活気のある町を目指します」と発表を締めくくりました。
野長瀬教授は「自治体を良くすることは大学を良くする事と対策などは同じで、あとはそれぞれのケースに応じて優先順位を変えるだけです。東京や神奈川、千葉以外の全ての自治体の人口がマイナスに転じている中で、議論するよりも行動することが大事です」と述べ、「数人でも中核として活躍する人材がいれば由良町は変わります」とこれからの同町の発展への期待を話しました。
今後も野長瀬教授は川崎氏と共に大阪府の過疎地域を集め交流を図る予定です。