「地域の担い手として大学生の役割を考え、実践する」プロジェクト 和歌山県紀美野町 道清掃活動に参加しました!
6月19日(日)に和歌山県北部にある紀美野町にて地域のみなさん、ボランティア参加者とともに清掃活動を行いました。以前からこの時期に紀美野町で清掃活動を行ってきましたが、昨今の新型コロナウイルス感染拡大により、約2年ぶりの現地での活動となりました。
当日は、主に山間部の生活道路の側溝、路肩部分の掃除を行いました。山間部の生活道路ということで、数キロにわたる坂道の清掃は、予想以上に大変な作業でした。
側溝は土砂や木々からの落ち葉で溢れており、道路に溜まった雨水などを排水する機能が働かないような状態でした。土砂は私たちが思っている以上に重く、スコップ1杯に入れて持ち上げるだけでも苦戦しました。清掃活動前は、もっとテンポ良く、広範囲にわたる活動ができると予想していましたが、実際は思うように活動を進められず、道掃除の大変さを実感しました。また、路肩は湿気の多い場所や日当たりの悪い場所に藻が張り詰めていて車などがスリップしやすい状態だったため、熊手やシャベルを用いて藻、落ち葉や土砂の除去作業を行いました。
今回は私たち学生に加え、多数のボランティアが参加して地域住民のみなさんのお手伝いを行ったため、時間はかかりながらも側溝、路肩の落ち葉や土砂を除去することができましたが、高齢化が進む地域において、地域住民だけで取り組むことは非常に困難で、外部からのサポートの必要性を身に染みて感じました。
お昼には地域のみなさまからカレーやサラダを、デザートにぶどうゼリーを提供していただきました。野菜や果物は現地から直接収穫されたものであり、どの食材も新鮮でとてもおいしかったです。
今回、実際に清掃活動に参加してみて、紀美野町は本当に自然豊かなまちであると感じました。清掃活動において、空き缶やペットボトルといった人間によるゴミはほとんど見受けられず、落ち葉や藻といった自然による汚れの方が多くあった印象を受けました。そして森林内には川が通っていたり、カエルや小さなカニが生息しており、私たちの地元では体感できない自然の景色を楽しみながら活動を行うことができました。
さらに、2019年に発生した台風19号の被害が今回の活動地域には多く残っていました。木々が倒れたままであったり、ガードレールも曲がっている状態を目の当たりにして改めて被害の大きさを痛感したと同時に、高齢者が多く、撤去が進んでいない現実に言葉も出ませんでした。いち早く撤去しなければ、さらなる二次被害を生む可能性がありますが、大学生にできることはなにもなく、少し歯がゆい気持ちになりました。
また、参加するにあたり、地域のあり方についても学ぶことができました。活動では地域の方と交流する機会があり、紀美野町の山間地域では過疎化と同時に少子高齢化が進んでいるというお話をしていただきました。しかし、紀美野町では、そのような状況下においても、高齢者や限られた少数の若者が地域の活性化活動に取り組み、地域の方の活気と力強い団結力を感じました。
今回、清掃活動を行った距離は本当に一部で、さらに長い距離の道清掃活動が未着手になっているのが現状です。地域の方々も、道掃除には外部の力がまだまだ必要であるとおっしゃっていました。最近では清掃活動へのボランティア参加者も増えていますが、人手不足です。高齢者の多くが使う生活道路を守るためにも、私たちが参加するだけでなく、このような活動をしていることを広めていくことが重要であると感じました。
地域において山積する課題はそれぞれ異なりますが、地域の担い手である私たち大学生にできることはなにか、一人ひとりが考えて地域福祉活動に積極的に取り組むことが大切です。
最後に、今回の活動は、清掃活動を通して自然と触れ合い、地域のあり方について学ぶことができた貴重な経験となりました。大変なこともありましたが、皆様に喜んでいただき、笑顔を見れたことがなによりも嬉しかったです。未熟でできることの少ない大学生ではありますが、少しでもお役に立てたのかなと思います。