本文へ移動

お知らせ

満員となった会場 満員となった会場

講師Chris Davies氏の講演(オンライン) 講師Chris Davies氏の講演(オンライン)

途切れなく続いた学生からの質問 途切れなく続いた学生からの質問

   EUの議会である欧州議会(European Parliament)は、同議会議員・元議員を世界各地の大学に派遣し、EUの政策を説明するという「欧州議会がやって来る(EP to Campus)」というプログラムを実施しています。このプログラムにより、10月25日(火)、経済学部において、「欧州議会が摂南大学にやってくる(EP to Setsunan Campus)!!」と名付けた経済学部特別講演会を実施しました。講師はChris Davies氏で、同氏は英国下院議員を経て1999年から2014年にかけて欧州議会議員をされています。その間、同氏は欧州議会において環境政策に関するEU法採択に多大な貢献をされました。こうした同氏の経歴から、本特別講演会では「EUの気候変動・環境政策」について欧州とオンラインでつなぎ議論し、90人を上回る学生が参加しました。

  講演会は、Davies氏による報告で始まりました。この報告で同氏は、EUにおいて、環境政策がどのように立案・実施されてきたかについて触れ、EUが環境政策において世界をリードしようとしていることについて紹介されました。すなわち、2030年の温室効果ガス排出量を1990年対比で55%削減しようとしていること、また、2050年には同排出量を実質ゼロにすることを目標としていることなどです。また、これらの目標達成は容易でないが、それに向けて動きが始まっているとも強調されました。

  これに対して、学生からは多くの質問がありました。例えば、①ウクライナ情勢が緊迫しており、石炭から比較的温室効果ガス排出の少ない天然ガスへの移行が困難になっているのではないか、②目標は余りにも意欲的であり、より現実的な目標を設定すべきではないか、③原子力をどのように位置付けるのか、もし爆発事故が起これば、より深刻な環境汚染を引き起こすのではないかなどです。

  このような質問に対して、Davies氏は、①天然ガス調達の多様化を図っていること、②EU市民からのサポートを背景に、政策立案者は厳しい環境政策への批判者に説得を続け、その結果、目標を設定することができたこと、③原子力については、新技術開発などにより、より安全なものになる可能性があり、ベースロード電源と考えられることなど、一つ一つの質問に丁寧に答えられました。

   学生からの質問は途切れることがなく、時間切れとなった学生も何人かいました。特別講演会終了後、学生は「説明が非常に明快であり分かりやすかった」、「大変雄弁であり、このような欧州の政治家と対話することができたことは重要な経験になる」、「環境保護についてEUが世界をリードしていることがよく理解できた」といった感想が寄せられました。

お知らせ一覧へ