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 経済学部の郭進教授の共著論文「Is agricultural self-sufficiency effective to protect local markets from global markets? Empirical evidence from the beef sector in Japan」が国際学術専門誌Applied Economics(2021年のインパクトファクターは1.916)に公刊されました。

 本論文では、日本の食料安全保障を取り巻く環境の複雑化の中で、日本の牛肉市場に焦点を当て、牛肉の自給率が国内の牛肉価格の安定化に果たす役割について実証的な分析を行いました。分析の結果、国際牛肉価格が日本の国内牛肉価格に大きな影響を与えることが明らかになりました。また、高い牛肉の自給率は国産牛肉価格の変動を軽減する効果が見られませんでした。一方、輸入牛肉の在庫量の増加は輸入牛肉価格の変動を抑制する効果が確認されました。日本の牛肉市場の特徴として、国産牛肉が輸入牛肉より品質が高いと認識され、国産牛肉市場と輸入牛肉市場が差別化されています。この結論から、日本政府は牛肉市場において保護主義的な政策を見直す必要があることが示唆されます。具体的には、牛肉の自給率を向上させるために畜産農家に補助金などを提供するよりも、輸入牛肉の在庫を増やすことが有効であると言えます。

論文のリンク先:

https://doi.org/10.1080/00036846.2023.2210824

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