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理工学部 生命科学科 向井 歩 助教のポスター発表が日本時間生物学会の優秀演題賞を受賞しました
理工学部 生命科学科 向井 歩 助教のポスター発表「キョウソヤドリコバチの概日歩行活動リズムと光周性は異なる時計によって制御される」が第30回(2023年度)日本時間生物学会の優秀演題賞を受賞しました。
生きものは自然界で、さまざまな環境変動の周期にさらされ、それに対応して生きています。例えば昆虫では、1日の明暗周期にみずからの活動と休息のリズムを合わせます。また、日照時間の変化から1年周期の季節変化をよみとり、冬に先立って冬眠します。このような周期性には、体内で約24時間のリズムを刻む「体内時計」がかかわることが知られます。しかし、活動を制御する時計と、季節をよみとる時計が同一か否かは不明でした。
そこで、向井助教は、キョウソヤドリコバチという寄生蜂を対象に、「枠光周期」と呼ばれる特殊な明暗周期のもとで活動にみられるリズムと冬眠の誘導を、同一個体で観察しました。その結果、活動リズムの制御には、冬眠を制御するしくみとは独立した体内時計が関与する事が示されました。体内に複数の時計が存在し、独立して時を刻んでいるという現象は興味深く、現在はこれらの計時にかかわるメカニズムの解明を目指しています。
◆日本時間生物学会 ポスター発表
「キョウソヤドリコバチの概日歩行活動リズムと光周性は異なる時計によって制御される」
◆理工学部 生命科学科 向井 歩 助教