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お知らせ

  経済学部の小塚匡文教授の共著論文“On the Validity and Stability of the Consumption-based Capital Asset Pricing Model Considering Land Prices”(森澤龍也・流通科学大学教授との共著)がJapanese Journal of Monetary and Financial Economics(日本金融学会のオンライン英文誌/査読付)に掲載されました。

  この研究では、代表的家計の効用に土地資産を導入した消費に基づく資本資産価格モデル(以下、C-CAPM)を定式化し、日本のデータを用いた実証分析を展開しています。C-CAPMとは、代表的な個人の最適消費行動と株式などの金融資産の収益率との関係をあらわしたモデルですが、このモデルによる資産収益率の説明力はあまり強くないとされていました。しかしわが国の資産構成より、平成バブル崩壊後の地価下落後も、わが国の家計が依然として土地資産を重視していること、そして土地資産の保有自体に意義を見出していることが考えられることから、この研究では、わが国における家計の選好が持つ(と思われる)上記の特徴をモデル化するために、同時点効用において、消費と土地資産の代替度パラメータが組み込まれたモデルを構築し、推定を行いました。また、この新たな定式化によるパラメータの安定性を検証し、モデルの頑健性を確認しています。

   検証の結果、株式収益率と土地収益率と考慮したときのみ、モデルの推定が問題なく行われ、パラメータについても有意かつ安定的な値が得られました。これらのことから、わが国の家計におけるリスク資産の選択を分析する際に、金融資産と土地資産の両方を考慮する必要性が示唆されています。

 

掲載誌のサイト(オンラインジャーナル)

https://www.jsmeweb.org/jjmfe/pdf/2023/kozuka_morisawa.pdf 

https://www.jsmeweb.org/en-journal/en_journal_type/en-journal/jjmfe/

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