経済学部
羅鵬飛講師の共著論文が経済産業研究所のディスカッションペーパーシリーズとして公表されました
経済学部の羅鵬飛講師の共著論文「Global Risk Factors and Their Impacts on Interest Rates and Exchange Rates: Evidence from ASEAN+4 economies」が経済産業研究所のディスカッションペーパーシリーズとして公表されました。本研究は経済産業研究所「為替レートと国際通貨」プロジェクトの研究成果であり、日本政府の政策決定に直接影響を与える重要な情報源であり、経済学研究における知見の深化と拡大を促進する重要な役割を果たしています。
国際金融のトリレンマは、為替レートの安定性、金融政策の自律性、自由な資本移動の間のトレードオフを浮き彫りにしており、その結果、諸国の間でグローバルなリスク要因に対する異なる政策反応が生じています。本研究では、米国金融政策、経済政策不確実性、金融リスクおよび石油価格などのグローバルなリスク要因がアジアの短期金利と為替レートに及ぼす影響を検証し、アジア諸国の多様な金融政策目標がグローバルリスクに対する異なる反応をどのように形成しているかを解明しています。
主な発見は以下です。
まず、日本を除くほとんどのアジアの金融当局は米国の金融政策の変更を追随しており、国境を越えた資本流動と為替レートの安定化が主要な政策目標であることが示されている。また、追随の程度は各国の為替相場制度によって異なる。また、グローバル経済政策不確実性やグローバル金融市場におけるリスクは、ほとんどのアジア通貨を減価させるが、短期金利への影響は比較的小さく、グローバルな金融市場における投資家のリスク選好がアジア諸国の金融政策目的に与える影響は限定的であることを示している。最後に、原油価格ショックに対するアジアの産油国と原油純輸入国の短期金利と為替レートの反応は正反対であり、原油価格が石油輸出国と石油輸入国に与える経済効果の違いを示している。これらの結果は、金融当局にとって重要な政策の含意を持っている。アジアの金融当局は、グローバルなリスクと金融市場の影響を監視し、政策協調を強化する必要がある。これには市場介入や政策協調などが含まれる。地域金融政策の協力はアジア経済に安定性をもたらすだろう。
論文のリンク先: https://www.rieti.go.jp/jp/publications/nts/24e006.html
引用先:Ogawa, E. & Luo, P. (2024). Global Risk Factors and Their Impacts on Interest Rates and Exchange Rates: Evidence from ASEAN+4 economies, RIETI Discussion Paper Series, 24-E-006.