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【PBL/2023年度の振り返り】枚方東部・里山パビリオンプロジェクト
①プロジェクト名:枚方東部・里山パビリオンプロジェクト
②主な連携先/協力先:杉・五兵衛、枚方市政策推進課・農業振興課
③活動内容:このプロジェクトでは、枚方東部地域の社会経済の持続的な発展に資することを目指し、2025年日本国際博覧会(「大阪・関西万博」)および「ひらかた万博」の時期に合わせて当該地域の魅力を発信することをめざす。2023年度はフィールドワークを複数回実施し、学生の視点から当該地域の魅力を学んだり発見し、それを地域外の人々に自分たちなりに表現・発信する方法を検討した。
④プロジェクトの成果:東部地域のみなさまのご協力を得て、フィールドワークやヒアリングを実施できた。これにより、杉地区における茅葺の古民家、津田地区の山下翁碑文(河内そうめん普及に貢献)や春日神社における映写会、氷室地域の交通上の位置づけが歴史的に変遷してきたことなど、昔からこの地に住む人々や郷土史家には知られていても、外部の人々にはあまり知られていない地域のストーリーや資源を再発見できた。また、学生たちは調査を踏まえたアウトプット(プロモーション映像づくり)を試験的に行った。自治体が広報用に利用できるプロモーション動画を作成できた。
学生たちは、落ち着き、レトロ、思い出、優しい、自然などといった概念を映像のコンセプトに使用していた。これらの言葉は実に素朴で安直な印象も受けるが、重要なことは、地域がもつ空気atmosphere を学生が自分たちなりに感じ取り、個人的な身体経験を踏まえた表現をすることが有効だと気づいた点にある。地域の観光プロモーションで観光資源を記述・描写する際には、さまざまな事情からこの「身体性」が除去されがちであるが、うまく使用すれば広く共感を集める可能性もある。今後、こうした気づきを活かしつつも、さらに観察と表現の方法を洗練する必要があり、次年度以降に取り組みたい。連携先および東部地域のみなさまに、厚く御礼を申し上げます。
⑤その他(“参加学生の声”等):学生からの感想としては、東部地域を実際に巡り歩いて魅力を発見できたこと、ある程度魅力ある動画を作成できたことへの達成感が挙げられた。他方で、各チーム全員が揃った状態で活動できた日が少なかったことへの反省・不満があがった。授業主担(小林)としては、学生が「全員そろって」「課題を均等に分担」することに寸分の意義も感じず、むしろモチベーションのより高いメンバーが先導役を果たすことを期待していたが、これについては学生との間に合意が形成できず、参加する分だけ負担感が増してしまう状況が生じてしまった。今後、学生と協議しながら、授業の進め方を検討しなおしたい。