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経済学部の郭進教授の共著論文「The energy-food nexus: Exploring the effects of biofuel policy on crude oil」が、ELSEVIER社の学術誌『Energy Strategy Reviews』(インパクトファクター:8.0)に掲載されました。

アメリカでは、2005年の「エネルギー政策法」と2007年の「エネルギー独立・安全保障法」の施行により、バイオエタノールの生産が急増しました。これに伴い、石油などのエネルギー市場とトウモロコシなどの食料市場の価格が連動しているのではないか、という疑問が提起されています。

その背景には、環境保護の観点から、アメリカではガソリンにトウモロコシ由来のバイオエタノールを混合して使用することが一般化している点があります。原油価格が上昇するとエタノールの採算性が高まり、生産量が増加することで、トウモロコシの需要と価格も上昇すると考えられています。

本研究では、「アメリカのバイオ燃料政策が原油価格とトウモロコシ価格の連動性を強めているのではないか」という仮説を検証しました。従来の研究では、他市場や経済要因の影響を十分に考慮していない点が課題でした。そこで本研究では、「部分ウェーブレット変換(Partial Wavelet Transform)」を用いて、コモディティ価格指数、米エタノール生産量、米ドル指数、米株式市場のボラティリティ指数、経済政策不確実性指数などの影響を取り除き、原油価格とトウモロコシ価格のより正確な関係を分析しました。

その結果、2007年以降、両者の価格の間に中長期的な有意な相関関係があることが明らかとなり、アメリカのバイオ燃料政策が価格連動性を強めている可能性が示されました。

本研究は日本学術振興会(JSPS)科研費24K09100(研究代表者:郭 進)の助成を受けたものです。

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