経済学部
経済学部の郭進教授の共著論文が、国際学術専門誌『Biofuels, Bioproducts and Biorefining』に公刊されました
経済学部の郭進教授が共著した論文「The influence of US biofuel production and global energy prices on local food prices in Latin American countries: a time‐varying analysis」が、国際学術誌『Biofuels, Bioproducts and Biorefining』に掲載されました。
本誌は、学術出版社Wileyと英国化学工業協会(SCI)による共同発行で、バイオ再生可能資源分野における最先端の研究を取り扱う、国際的に高く評価されている専門誌です。
現在、気候変動や地域紛争の影響により、世界的に食料安全保障の確保はこれまで以上に重要な課題となっています。本研究では、ラテンアメリカの主要国を対象に、食料価格が外的要因から受ける影響を分析しました。具体的には、計量経済モデルを用いて、アメリカのエタノール生産、農産物に対する投機的取引、国際エネルギー価格、および国際食料価格指数が、ラテンアメリカ諸国の食料価格に与える動的な影響を実証的に検証しました。
分析の結果、アメリカのエタノール生産は、調査対象としたラテンアメリカ6か国すべての食料価格に対して大きな影響を及ぼしていることが明らかになりました。さらに、農産物に対する投機的取引は、特にドミニカ共和国、アルゼンチン、パラグアイにおいて、国内食料価格に強い影響を与えていることが確認されました。また、国際エネルギー価格も、各国の食料価格を左右する主要な要因の一つであることが示されました。
本研究の成果は、気候変動、農業政策、エネルギー政策といった分野における今後の政策立案に対して重要な示唆を提供するものであり、ラテンアメリカ諸国における食料安全保障への対応策を検討する上で貴重な知見となります。
なお、本研究は、日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金(課題番号:24K09100、研究代表者:郭 進)の助成を受けています。
論文のリンク先:
https://doi.org/10.1002/bbb.2781