農学部
ゲノムから探るサワガニの複雑な分布と進化史 “色”だけでは見抜けない集団構造を明らかに
NEWS RELEASE【No.16】
摂南大学(学長:久保康之)農学部応用生物科学科の國島大河講師と和歌山県立自然博物館(館長:和田恵次)の高田賢人学芸員を中心とする研究グループ(京都大学大学院地球環境学堂 西川完途教授、産業技術総合研究所ネイチャーポジティブ技術実装研究センター 井口亮研究チーム長ら)は、日本列島でよく知られ、身近な水辺の生き物である「サワガニ」について、次世代シーケンサーを用いた遺伝解析により詳細な遺伝的集団構造を明らかにしました。更に、その遺伝的集団構造を踏まえてサワガニの体色タイプの地域性を検証しました。本研究の成果は、サワガニの分類・系統・集団構造に関する今後の研究の基盤になるとともに、日本列島の陸水生物の分布がどのように形作られてきたかを理解するうえで重要な知見となります。
【本件のポイント】 ● 日本列島に広く分布するサワガニは大きく5集団に分かれる ● これらの集団は、各地での地史の影響を受けて分化し、島またぎや飛び地状などのユニークな分布パターンを持つようになったと考えられる ● 同じ体色タイプが複数集団にまたがって現れ、そのうち青色型は進化史の中で独立して2回出現したことが明らかに |
「サワガニ」の体色タイプ、一塩基多型(SNPs※1)に基づく遺伝的集団構造の地理的分布の概念図
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