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お知らせ

 EUの議会にあたる欧州議会は、同議会議員あるいは元議員を世界各地にある大学に派遣し、EUの政策を説明し、学生と対話するという「欧州議会がやってくる!!(European Parliament to Campus)」というプログラムを実施しています。
   このプログラムにより、12月8日、経済学部において、「欧州議会が摂南大学にやってくる(European Parliament to Setsunan Campus!! )」と名付けた特別講演会を実施しました。講師は同議会の元議員イバン・ガルシア・デル・ブランコ氏で、「EUにおけるデジタル市場の規制」をテーマとし、ブリュッセルとオンラインで結んで講演していただきました。なお、同氏はスペインのレオン大学出身で、2003年に政界入りし、スペイン国会議員(2012年~2015年)を経て、2019~2024年の間、欧州議会議員に選出されました。弁護士でもある同氏は、欧州議会において法務委員会の副委員長を務められました。
   講演では、まず、EUにおけるデジタル政策の3つの目標が紹介されました。デジタル関連投資の増加、デジタル教育とトレーニングの充実、さらにはデジタル市場に関する横断的な規制枠組みです。最後の目標は、欧州デジタル単一市場を創設し、デジタル事業者や市民がどこにいようとも、同じ権利、同じ義務を負うことを可能にするというものです。これらを達成するため、EUは一連の規則を導入しました。まず、デジタル市場法、デジタル・サービス法です。その目的はインターネット規制緩和の時代に終止符を打ち、事業者に管理と透明性に関する義務を求め、偽情報などからユーザーを保護しようとするものです。また、データ法とデータ・ガバナンス法は、産業のデジタル革命を促進しようとするものです。さらに、EU人工知能法は、AIを組み込んだすべてのテクノロジーに適用され、基本的人権の保護を確保し、個人及び民主主義への危害を防止することを目的としています。このような一連の動きを通じて、EUは主として民主主義の同盟国と協力してグローバルなデジタル・ガバナンス体制を実現しようとしているとのことです。
    講演後、学生からは、「これらの内容をどのように広報しようとしているのか」、「テクノロジーの発展速度と法整備の速度のギャップをどう考えるのか」、「規制を課すことにより、新たな企業のスタートアップを阻害しないのか」など次々と質問が寄せられ、ガルシア氏は、それぞれに対して丁寧に答えられました。これらの議論を通じて、世界最先端を走るEUにおけるデジタル市場の規制がどのようなものであり、いずれ日本にも影響する可能性があることを学ぶことができました。
 なお、当日、出席した学生数は約120人であり、また、講演は逐次通訳付きの英語で行われました。

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