国際学部
【国際学部】授業紹介No.3「マイノリティ研究プロジェクト」
国際学部で2年次前期から3年次前期にかけて開講している、多彩な「プロジェクト科目」を紹介するシリーズ投稿です。
「プロジェクト科目」では講義と演習を組み合わせてインプットとアウトプットを繰り返し、学生主体で課題解決や目標達成のための計画を立案することで、課題解決力を身につけます。
今回取り上げるのは、加来奈奈先生が担当する「マイノリティ研究プロジェクト」(3年次前期 社会協創領域)です。
授業概要(シラバスより一部引用):
日本では、宗教的、人種的、言語文化的マイノリティの権利擁護の急務は不問に付されたままである。これに対して世界では、女性、南アフリカの黒人、性的少数者、不可視化されている先住民族などさまざまな「マイノリティ」が主体的な運動を展開している。本授業では、ジェンダー、LGBTQ、外国人、障害者、エスニックに関する問題などについて、地域的、歴史的、文化的背景により多様なマイノリティの在り方があることを知り、それぞれが興味を持った具体的な事例を深く理解することを試みる。さらに、ディスカッションを通して、マイノリティが直面する課題を捉え、分析し、最終的には、どのようにすれば課題が解決でき、多様性が受け入れられる社会を築いていくことができるかについて、具体的に提案することを目的とする。
授業紹介:
本授業は、基幹科目「ジェンダーとマイノリティ」と合わせて受講する科目です。ジェンダーやマイノリティの歴史や具体的な状況、問題点、研究の方法などを基幹科目で学びながら、「マイノリティ研究プロジェクト」の授業では各自興味をもったマイノリティに関して、調査・分析し、考察した上で発表を行います。
前半は、関心のあるマイノリティについてグループワークを行いました(ヤングケアラー、人種、LGBTQ、男性の育休、ルッキズム、障害者、在日外国人についてなど)。
後半は、個人で調査・分析する形をとりました。例えば、女性パイロットの問題についてANAの講師の方にインタビューを行ったり、IBD(炎症性腸疾患)の方のためにトイレを貸す試みについてフィールドワークを行ったり、SNSや映画を分析したり、外国の政府の動向を調べるなど、それぞれの関心から具体的に研究することに取り組みました。最終的に全員の前で報告し、様々なマイノリティの存在や問題解決のための試みを紹介したり、映画を通してマイノリティの在り方に関して考察したりしました。
受講生は丁寧に発表を行い、聞く側も熱心に聞き、多様性社会の現在の問題について、まだまだ答えの出ない問題もありますが、自分だったら何ができるか、どうするのが良いのだろうと真摯に考察しているように感じました。
(国際学部准教授 加来奈奈)