国際学部
【国際学部】授業紹介No.8「インドネシア語で世界を知る」
国際学部で2年次前期から3年次前期にかけて開講している、多彩な「プロジェクト科目」を紹介するシリーズ投稿です。
今回は各領域に対応した「接続科目」を取り上げます。「接続科目」では、外国語「を」学ぶのみならず、外国語「で」学ぶ授業を通して、実践的な語学力を磨くと同時に、各言語圏とそこから見た世界に対する理解を深めます。
2024年度後期に開講している科目の中から、金子正徳先生が担当の「インドネシア語で世界を知る」(2年次後期 国際共生領域)を紹介します。
授業概要(シラバスをもとに要約):
「インドネシア語で世界を知る」は日本および欧米以外の視点から世界を観ることを学んで欲しい授業です。2年生から受講可能で、1年生の後期に初修言語としてインドネシア語を履修した学生を対象としています。
授業紹介:
この授業では、世界で4番目の人口を抱えている大きな国であるにも関わらず日本人にはあまりなじみのないインドネシアの人々がどのように世界を捉えているかを、インドネシア語を中心とする多様な資料に基づきながら理解することを目指します。このように、グローバリゼーションのただ中にある現代世界を日本や欧米以外の立場から理解することを通じて、世界が抱える明確な答えのないさまざまな課題の中で生きていくための多角的な視野を養成することを目標としています。
たとえば、インドネシア人の国際移動、インドネシアの資源戦略や、スポーツを通じた世界との関わり、文化戦略などをテーマとした教員による講義がありますが、それだけではなく、映像資料を通じた学習や、いくつかの課題についてのグループワークによる学びも重視している複合的な授業です。
授業の内容ですが、例えば宗教を取り上げインドネシア人の日常における宗教の重要性などを学んだ回のコメントシートでは、宗教がインドネシア政治において持つ役割や意味について知りたい、宗教をめぐる社会制度への関心、大多数を占めるイスラーム教以外の宗教の人々の状況など、宗教をめぐる多様な社会や文化、そして政治をめぐる事象について知りたいという発展的なコメントも多数寄せられていました。
写真は、前半に取り組んだグループ発表の様子です。いま世界的に活躍しているインドネシアのスポーツ選手、芸術家、起業家・事業家などをグループごとにウェブで探し、インドネシア語の資料も活かしながら、その来歴や世界への関わり方を発表してもらいました。
このように、幾つかの小テーマから、1年次よりもインドネシアについて詳しく知るだけでなく、学んだ視点から振り返って日本を捉え直すこと、さらに同じ観点から世界他地域へと関心を向けることで、流動的で複雑化する社会の動態を理解し、行動する基礎力を養っていきます。
(国際学部准教授 金子正徳)