農学部
小笠原諸島に淡水エビ類は何種 定説10種を野外と文献の調査・博物館標本から再検討
NEWS RELEASE【No.30】
摂南大学(学長:久保康之)農学部応用生物科学科の福家悠介特任助教、北九州市立自然史・歴史博物館の竹下文雄学芸員、国立科学博物館の小松浩典研究主幹、小笠原自然文化研究所の佐々木哲朗副理事長らの研究グループは、小笠原諸島の淡水エビ類がこれまでテナガエビ科とヌマエビ科の10種が分布しているとされてきたものについて、野外調査と文献調査、博物館標本から再検討した結果、8種と考えられることを明らかにしました。成果は2本の論文として2025年9月12日付で日本甲殻類学会和文誌Cancerに掲載されました。
【本件のポイント】 ● 小笠原諸島に分布している淡水エビ類は10種とされてきたが、8種と考えられる ● これまで分布を報告されてきた2種の淡水エビ類は、他種と誤認の可能性がある ● 戦前や明治時代の博物館標本が分布域の再検討に貢献 |
小笠原諸島は本州から約1,000km南に離れ、過去に一度も大陸と陸続きになったことのない海洋島です。海を渡ってたどり着いた生物によって生じた進化や生態系の学術的価値が評価され、世界自然遺産に登録されています。小笠原諸島にどのような種がいるのかという基礎的な情報は、島の生物多様性の実態を認識し、保全を進めるために重要です。
淡水エビ類では、これまでにテナガエビ科とヌマエビ科の計10種(ミナミテナガエビ、ヒラテテナガエビ、コンジンテナガエビ、オガサワラコテナガエビ、オガサワラヌマエビ、コテラヒメヌマエビ、トゲナシヌマエビ、ヤマトヌマエビ、ヒメヌマエビ、ミナミオニヌマエビ)が分布するとされていました。しかしながら、私たちは小笠原諸島でのフィールド調査を進める過程で、いくつかの種の分布に疑念を持ったことから、小笠原諸島における淡水エビ類の分布記録を再検討することにしました。
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