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農業のリアルな課題から学び、生産、直販、広報へと可能性を広げた4年間。

農学部 食農ビジネス学科島津 明里沙さん高橋 梨音さん

学業・研究

大学での学びを生かして、農園でお互いの力を発揮。

島津 ダンス部に入っていた高校時代、管理栄養士の資格を持つ母が食事面でサポートしてくれたことで栄養や食に関心を持ち、「私も、栄養面でサポートできる人になりたい」と考えるようになりました。管理栄養士になるなら野菜生産の背景を知る必要があると考え、農家さんへの憧れもあったので、管理栄養士をめざす学科ではなく、摂南大学食農ビジネス学科で学ぶことにしました。

高橋 私は島津さんより2年早く摂南大学の外国語学部(現・国際学部)に入学しました。感染症の流行で授業がオンラインになって自炊が増えた時、「私が食べているものって何?」と疑問を持ち、食品に無知だったことに危機感を抱きました。本を読んだり農園に直談判して農作業を手伝ったりしていく中で、もっと専門的に学びたくなって農学部に転部しました。食農ビジネス学科は文理融合学科で、文系出身の私にもハードルが高くないのが魅力でした。

島津 入学後に教授から「有機農業に関わっている子がいる」と高橋さんを紹介してもらい、一緒に農園のお手伝いをさせていただくことになりました。

高橋 私たちは、授業と両立して、枚方市穂谷での援農活動(ボランティア)やアルバイトをしていました。農家さんは、それぞれ栽培方法が異なるので、視野を広げるために15件以上の農家さんの元を訪問しました。正しい知識を得て技術を磨きたいと思い、有機農業の講座にも参加しました。

島津 有機農業は手間がかかりますが、自然とともに作物を育てている実感があります。農家さんの顔がわかっていると安心して食べられるし、よりおいしく感じられます。「この野菜をもっと広く届けたい!」と思いました。

高橋 援農活動をする中で、農家さんから「農薬や化学肥料に頼らない栽培方法で安全や食味にこだわっても、慣行栽培の野菜よりも価格が高いのでなかなか買ってもらえない」という声をよく聞きました。消費者である私たちが農業について知らず、生産者との距離が遠いことが原因です。そこで、農家さんから野菜を買い取って駅前などで販売したり、農業体験を企画して集客したりする活動も始めました。

島津 野菜販売ではチラシや販売用POPを作成したり、忙しい農家さんに代わって公式LINEで注文を受け付けたり、Instagramに農園の様子や採れたて野菜の写真を載せて、地元枚方で安心安全でおいしい野菜を作る農家さんがいることを多くの方に知ってもらえるように、広報的な活動へと広がりました。

食と農を通じて、より良い社会をつくりたい。

高橋 食農ビジネス学科の先生方は、「大学で何をしたいか」「社会課題に対して自分には何ができるか」と考える学生を積極的にサポートしてくれます。おかげでさまざまなチャレンジができました。

島津 私は入学前のオープンキャンパスで、学科の先生から「食農ビジネス学科は、教授同士の仲が良く、研究室を横断して専門的な学びを深めることができる」と聞いていました。実際その通りです。

高橋 授業で興味関心を持った分野について教授に話すと、場所や人を紹介してくださったり、実際に現場に連れて行ってくれたこともありました。食農ビジネス学科での学生生活は私の宝物です。

島津 卒業後、私は植物性自然栽培を行う会社で農業に関わり続けたいと考えています。この会社はお米や野菜、薔薇を地方の農園で生産し、都会でも複合的な事業を行うことで利益の一部を農園のある村に還元し、地方の自立をサポートしています。この仕組みにより、都会も地方も豊かになり、500年後、子どもたちが安心できる未来を創出することができます。私はこの会社に出会いとても感銘を受けました。今生きている人の食を支えるだけでなく、豊かな未来を作っていく活動でもある農業に私も関わりたいという気持ちが強くなりました。そう思うようになったのは、摂南大学での学びのおかげです。

高橋 私も「農薬や化学肥料に頼らない農業を社会に広める」というのが自分のミッションだと思っています。担い手の高齢化など農業には多くの社会問題があります。農家さんと深く接する中で、若手生産者を増やすことと同じくらいに、野菜の販路を開拓して消費者に届けることも重要だと気づきました。特に、若い生産者が農業を続けられる環境づくりをしていきたいと考えています。そこで卒業後は、関西圏で有機野菜の販路開拓や農家さんの支援に力を入れている会社の一員として働く予定です。「より良い社会にするために、食や農を通じて私にできることは何か」を追求していきたいです。

島津 選んだ道は違っても、同じ方向を見て頑張っている友人がいるのは心強いです!

(掲載内容は2024年11月取材時点のものです)

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