下平 勇太特任講師シモダイラ ユウタ
所属
経済学部 経済学科
専門分野
実験経済学,行動経済学
関連リンク
プロフィール
出身 | 長野県 |
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生年 | 1992 |
尊敬する人物 | 学部,修士課程,博士課程,それぞれの指導教員 |
近年の研究テーマ (1)
経済学に基づく選好測定と認知能⼒などの個⼈属性との関連の検討
実験経済学の研究では,認知能⼒やリスク選好,社会的選好などの個⼈属性を測定し,それらの属性と実験ゲームにおける⾏動との関係を明らかにする研究が増えている.⼤学⽣サンプルを使って⾏われる実験研究には,⼀般的な集団への適⽤可能性の懸念があるが,カリフォルニア⼯科⼤学の学⽣サンプルとアメリカにおける⼀般⼈サンプルを⽐較した研究 (Snowberg & Yariv, 2021, AER) では,2つのサンプル間で属性変数間の相関関係の構造が類似していることが明らかにされた.本研究では,⼤阪⼤学学⽣と⽇本国内の⼀般⼈サンプルを対象に,オンラインアンケート形式による個⼈属性測定実験を実施し,2つのサンプルを⽐較した.両者の間には統計的に有意な差があるものの, Snowberg & Yariv (2021, AER) の結果と同様,個⼈属性変数の間の相関関係の構造は類似していることが分かった.
近年の研究テーマ (2)
凸時間予算制約法による時間選好測定⼿法の検討
Andreoni & Sprenger (2012, AER)は時間選好を測定する実験⼿法として凸時間予算制約(CTB)法を提案した.この⼿法は,報酬の配分を決定する実験課題を繰り返し実施し,意思決定データを準双曲割引と呼ばれる効⽤関数に当てはめ,パラメータを推定することで時間選好を測定する.本研究では,個⼈ごとのパラメータ推定における推定の正確度を,パラメータリカバリシミュレーションを⽤いて検討した.シミュレーションの結果,現在バイアスパラメータの正確度が悪く,真のパラメータ値が0.9以上の個⼈(将来の利益を10%以上割引しない個⼈)に対しては,推定値が1と等しい(つまり価値を割り引かない)ことを棄却することが困難であることが明らかになった.
近年の研究テーマ (3)
CES効⽤関数を⽤いた分配選好表現の検討
Andreoni & Miller (2002, Ecta) および Fisman, et al. (2007, AER) は,拡張独裁者ゲーム実験における意思決定をCES効⽤関数に当てはめることによって分配選好を測定する実験⼿法を提案した.しかしながらCES効⽤関数には数学的な⽋点があり,代替弾⼒性が無限⼤になると分配パラメータが消え,⾮対称な完全補完選好を表現することができなくなることが知られている.この問題に対して我々は新たな効⽤モデルを提案した.このモデルは従来のモデルと⽐べて,代替弾⼒性パラメータの全ての領域で分配パラメータの解釈が可能となり,⾮対称な完全補完選好も表現することができるようになった.このモデルによって,平等性と効率性の選好を互いに直交した成分として分析できるようになった.
SDGsの取り組み
社会課題
- 自然環境・廃棄物
- 男女共同参画・多文化共生・人権
- グローバリゼーション
- ソサエティ5.0