金 政芸特任助教キム ジョンウン
所属
経営学部 経営学科
専門分野
社会学
キーワード
社会調査 / 社会学
関連リンク
プロフィール
出身 | 韓国 |
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生年 | 1980 |
好きな国・地域 | 京都 |
適切なアンケート調査の方法について
皆さんも、テレビの番組で「街の人たちの意見を聞いてみました!」といって、街頭アンケートをする映像を見たことがあるかと思います。番組では、そのアンケート調査の結果を根拠に日本人はこう考えるなど結論づけたりもします。しかし、こうした調査は実際とはかなり異なる結果になることが多く、あまり信頼できるものではありません。たとえば、同じ内容の調査でも、街頭アンケートを夕方にビジネスマンの多いオフィス街で実施した場合の結果、昼間にショッピングモールの中で実施した場合の結果はかなり違ったものになる可能性が高いです。なぜなら、オフィス街での調査は、ビジネスマンの意見が結果に強く反映され、ショッピングモールでの調査では、主婦の意見が強く反映されてしまうからです。通常のアンケート調査は、調べようとする集団の中で、一部の人たちだけを対象に選んで調査を実施します。対象に選ばれた一部の人たちを標本といいますが、標本を選ぶ際に偏りのない標本を選ばなければ、調査結果は実態とは離れたものになっていまいます。このように、安易な方法でアンケート調査を行っても適切な結果を得ることはできません。
見えない関連性を見つける
昔は雨が降らない干ばつのときに、村人が集まってよく「雨ごい」を行いました。雨乞いは、言葉の通りに雨を降らせてくださいと神に祈る儀式で、科学が発達した現在の私たちから見ると非科学的で無意味なものにすぎません。しかし、雨ごいで雨が降ることはなくても、雨ごいをすることで村人同士の連帯意識を高め、村に干ばつの危機を乗り越える団結力を与えてくれます。アメリカの社会学者R.K.マートンは、こうした表に現れない効果を「潜在的機能」と定義しました。世の中には目に見えない因果関係がたくさん存在しています。研究を行う上で、こうした関連性を見つけることは非常に重要なものです。 現在は、「マーケティングリサーチI」、「経営統計論」を担当し、市場調査などのアンケート調査を行う方法から、調査結果を統計的に分析する方法を講義し、「調査実践演習」を通して実際に調査の企画から結果の報告までの過程を経験できる授業を主に担当していますが、その中でも学生に、世の中にある見えない関連性を見つける力を身につけることができる授業になるように心がけています。