本文へ移動

中津 了勇教授ナカツ トシオ

所属

理工学部 基礎理工学機構

専門分野

数理解析学|素粒子、原子核、宇宙線、宇宙物理にする理論

キーワード

数理物理

関連リンク

プロフィール

出身 東京都
尊敬する人物 南部陽一郎

研究紹介(おおまかに)

自然現象は, 私達が見るスケールによって全く異なった振る舞いを示し, それぞれのスケールにおいて普遍的な基本法則で記述される。私達が日常生活をおくる, 手で触れ, 目に見え, 耳に聞こえる世界と, それよりはるかに極微の世界あるいは極大の世界は全く異なる世界である。私達程度の大きさの物体の運動は古典力学のニュートンの運動方程式に従うが, 原子核のまわり 10のマイナス10乗m程度の距離を動く電子の運動は量子力学のシュレ ディンガー方程式で記述される。そこで鍵となる物の見方は電子の持つ粒子性と波動性である。逆に, 宇宙のスケールにおいては一般相対性理論のアインシュタイン方程式が有効である。この理論はすべての物理法則はどんな座標系でも成り立つ等式によって記述されるという相対性原理と, 時空の無限小の領域では常に特殊相対性理論が成立するという等価原理に基づいている。日常生活の常識からかけ離れた世界がこのようにして存在することは驚異すべきことである。数学的直観と手法を用いて物質の構造原理を探求・発見していく分野が数理物理である。私は無限自由度の量子系が持つ数理的構造を究明することを中心に研究を進めており、可積分系, ランダム系の幾何学, くりこみ群に関連する結果を得ている。

研究紹介(やや詳しく)

ヤング図形 (整数の分割) などの組合せ論的な対象とKdV 方程式や戸田格子に代表されるソリトン方程式や可積分系の手法を用いて数理物理学の研究を行っている。ゲージ理論と弦理論の厳密解に関する観点から, ランダム平面分割の研究を行ってきたが, 近年, このような組合せ論の模型と確率過程模型の間に関係があることが見出されている。これは確率過程模型のダイナミクスに関する詳細な性質を可積分系の手法を用いて明らかにできる可能性を示しており, 注目している。非平衡統計力学における確率過程, 素粒子物理学におけるゲー ジ理論や弦理論など無限自由度の量子系への応用を通して, 面白い自然現象の数理を解明したい。

SDGsの取り組み

  • 4.質の高い教育をみんなに
教員紹介へ戻る

他の先生も見る