薬化学研究室
教授表 雅章
講師樽井 敦
講師軽尾 友紀子
医薬品やコーティング・液晶材料などにはフッ素原子が含まれているものが多く、そのような化成品は私たちの生活になくてはならない存在です。薬化学研究室では、有機フッ素化学を基盤として、生理活性物質、ペプチド分子、蛍光性化合物のほか、環境調和性の高いさまざまな含フッ素機能性分子を合成しています。他大学や研究機関と密に連携しながら世の中にないモノをつくり上げ、評価を繰り返すことで機能を解明し、新たな価値を創造し続けます。
研究資料 薬化学研究室HP 表雅章教授ウェブ記事(大学ジャーナルオンライン) 樽井敦講師ウェブ記事(ラボ☆なう No. 18 樽井 敦 講師) 軽尾友紀子講師ウェブ記事(FLOW No.85 研究最前線 軽尾 友紀子 講師)医薬品化学研究室
教授河合 健太郎
准教授佐藤 和之
助教干川 翔貴
大学で学ぶ「有機化学」を生かして創薬研究を行っています。生物系の研究室との共同研究を積極的に進め、新たな生理活性物質を生み出しています。医薬品を創出するためには、活性だけでなく、薬物動態や安全性といった多くの課題を解決することが求められるため、薬学に関する幅広い知識や経験を化合物設計に反映することが必要です。また、当研究室では、コンピュータを使ったインシリコ創薬研究も行っています。コンピュータは多様で大規模なデータを扱うことができるため、インシリコ創薬は医薬品研究の効率化につながる新しい技術として注目されています。
研究資料 医薬品化学研究室HP 河合健太郎教授ウェブ記事(大学ジャーナルオンライン) 河合健太郎教授ウェブ記事(ラボ☆なう No. 19 河合 健太郎 准教授)生体分子分析学研究室
教授山岸 伸行
講師久家 貴寿
助教海堀 祐一郎
主な研究テーマは、がん、エナメル質形成不全症、幹細胞分化などです。がん転移の仕組みの解明や抗がん剤耐性の改善方法の開発などを目指した基礎研究を行っています。エナメル質形成不全症の原因遺伝子の機能解析を行うことで、疾患発症メカニズムの解明を目指しています。幹細胞研究では、大腸・唾液腺・筋肉などの組織幹細胞の分化制御を明らかにし、生命現象の根源とも言える幹細胞研究を通じて、新たな概念を提供したいと考えています。
研究資料 山岸伸行教授ウェブ記事(「医療・福祉 新技術説明会」) 久家貴寿講師ウェブ記事(ラボ☆なう No. 12 久家 貴寿 助教)生化学研究室
教授北谷 和之
助教西阪 皓理
生化学研究室では1)生体脂質セラミドを基調とした創薬研究、2)生体脂質セラミドを基調とした脂質性制御機構を解明する生化学・分子生物学的研究など、これら“脂質”に着目した研究テーマを展開しています。
具体的には、「炎症性疾患」や「(難治性)がん」を中心とする様々な疾患に対し、脂質による新たな治療戦略を展開する可能性を探索しています。
また、創薬を目指した研究の基盤とするために、脂質がもたらす生命現象の理解に挑んでいます
機能形態学研究室
教授倉本 展行
講師宇野 恭介
講師川田 浩一
機能形態学研究室では神経変性疾患について研究しています。主な研究テーマは、以下の5つです。
- 筋萎縮性側索硬化症モデル動物における神経変性を抑制作用が期待されるシグナル伝達物質アペリン及びアペリン受容体に関する薬理学的研究
- 緑茶アミノ酸テアニンによる神経ネットワーク再構築と認知機能低下抑制作用に関する神経科学的研究
- 次世代シークエンサーを用いたうつ病の脆弱性因子の新規探索及び、ゲノム編集技術を用いた遺伝子改変動物の作成
- 脳虚血負荷モデルマウスにおける神経細胞内カリウム濃度低下に伴う興奮性神経毒性に対する耐性獲得に関する研究
- 受容体タンパク質のin vitro脱リン酸化法による新規脱リン酸化機構の同定
微生物学研究室
教授伊藤 潔
教授高松 宏治
講師桑名 利津子
微生物学研究室では微生物の構造、機能、酵素などに関する研究を行っています。
具体的な研究テーマとして、「病原性細菌のペプチダーゼ類を中心とする酵素の構造と機能に関する研究」、「細菌の芽胞形成と発芽の分子機構に関する研究」や「蛍光顕微鏡観察による微生物の微細構造の研究」などを扱っています。
これらの研究の一部は学内外の研究者や企業との共同研究として実施しています。
病理学研究室
教授尾崎 清和
助教小島 美乃里
病理学とは、様々な病気に関する原因、その発生機序(病理発生)を解明し、病気の診断を形態学的に研究する学問です。肉眼的に臓器を、顕微鏡を用いて組織や細胞を検査することによって、正常な臓器や細胞が病気によってどのように変化したのかを調べます。
病理学は、病気の診断を目的とする診断病理、病気の原因の解明を目的とする実験病理にわけることができます。
私たちの研究室では、様々なヒト疾患特に糖尿病、癌、非アルコール性肝炎、先天異常に関する実験病理学的研究や薬の有害作用の発生期序に関する研究、および動物(イヌ、ネコ、フェレット、ラット、マウス、サルなど)の病理診断、特に顕微鏡を用いた、組織病理診断を行っております。
公衆衛生学研究室
教授木村 朋紀
講師中村 武浩
助教小串 祥子
個々の化学物質に固有の識別番号CAS RNRは2015年に1億件に達し、2022年には2億件を超えました。このように、日々、新規化学物質が合成されていることから環境中に流出する化学物質による健康被害が懸念されています。本研究室では、環境中の有害化学物質に対する生体の防御システムと、それが破綻する仕組みを解き明かし、化学物質による健康リスクを正しく把握することを目指しています。また、環境中の有害物質を除去する研究にも取り組んでいます。
研究資料 公衆衛生学研究室HP 木村朋紀教授 研究・技術シーズ(環境化学物質に対する生体応答の分子メカニズム解明)疾病予防学研究室
准教授中尾 晃幸
講師角谷 秀樹
私たちの身の回りに存在する有害な化学物質に注目し、それらの人体汚染や毒性評価のほか、ヒトの疾病予防に資する基礎的研究に取り組んでいます。
対象となる化学物質の一つに紫外線吸収剤があげられます。
海外では特定の紫外線吸収剤を含んだ日焼け止めクリームの使用・販売が海洋生態系の保護を目的に禁止される法案が可決されました。
私たちは、これら化学物質について、高性能機器を使用した日本人の汚染を調査すること並びに細胞や動物を使用して、遺伝子レベルにおける毒性発現メカニズムの解析を行っています。
薬理学研究室
教授米山 雅紀
講師山口 太郎
講師尾中 勇祐
高齢化社会の大きな課題である認知症および聴覚障害の予防法と治療法の開発を目的として、これらの発症原因に関する基礎研究および治療薬の創製を目指した研究を行っています。
特に、中枢神経障害に関する研究では、神経変性がその後の神経細胞の再生に与える影響と、がんおよびがん治療が中枢神経機能に与える影響を解析しています。
また、聴覚障害に関する研究では、聴覚機能の維持と破綻に関与する制御因子の道程および難聴の予防や治療に応用可能な創薬シーズの探索を行っています。
薬効薬理学研究室
教授奈邉 健
講師松田 将也
1)喘息や花粉症などのアトピー疾患の難治化のメカニズムの解明、2)アレルゲン免疫療法の効果発現メカニズムの解明、3)新しいアレルギー治療薬の開発を中心に研究を進めています。
研究資料 薬効薬理学研究室HP 奈邉健教授ウェブ記事(ラボ☆なう No. 9 奈邉 健 教授) 奈邉教授インタビュー動画(「世界で最も影響力のある研究者トップ2%」インタビュー) NEWS RELEASE【No.10】(【薬学部】ステロイドの効かないぜんそく治療に新知見 「JAKたんぱく質」に着目)薬物治療学研究室
教授吉岡 靖啓
講師石丸 侑希
パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患や緑内障などの眼疾患は、神経細胞が障害・脱落することで運動機能障害や視力低下をきたす進行性の疾患です。
これらの疾患の原因および発症機構には不明な点が多く、また、進行を完全に抑制する治療法が存在しません。
そこで、疾患モデルマウスなどの実験動物並びに培養細胞を用いることにより、これらの疾患の原因および発症機構を解明し、疾患の進行を抑制する治療法を確立することを目的として研究を行っています。
複合薬物解析学研究室
教授矢部 武士
准教授荒木 良太
助教喜多 絢海
当研究室では、脳・精神疾患をターゲットとし、漢方薬や生薬が本当に効くのか?効くならば、その作用メカニズムは?どのような成分が薬効発現に関与しているのか?などを科学的に検証していくことを主な研究テーマとしています。
また、脳・精神疾患の発症・病態メカニズムは不明な部分が多く残されていることから、神経科学領域における基礎的解析も並行して行い、これらの解析において培った研究手法や基礎的知見を「漢方薬の薬効解析」や「天然物からの創薬研究」に応用していくスタイルで研究を進めています。
薬剤学研究室
教授片岡 誠
講師南 景子
助教政田 昴人
消化管内での安定性や溶解性、膜透過性などに問題があるため、経口投与してもほとんど吸収されない薬物が数多く存在しており、医療品開発だけでなく、臨床でも問題となることがあります。
当研究室では、これら問題点を解決し、より良い医療品の開発に貢献することを目指して、製剤技術やドラッグデリバリーシステム開発や応用に関する研究を、細胞や動物を用いた薬物吸収挙動を検討することにより実施しています。
また、医薬品開発の成功確率改善に関する薬物吸収挙動評価システムの構築にも取り組んでいます。
薬物動態学研究室
准教授高木 敏英
助教大薮 由依
経口投与された製剤からの薬物吸収の評価方法について研究しています。薬物吸収は薬物自身の物理化学的性質だけでなく、製剤としての性質によっても影響を受けます。より消化管内の状況を適切に反映させたin vitroでの機能評価と、動態モデルによる血中シミュレーションを組み合わせることにより、ヒトに投与しなくても薬物吸収後の血中動態が適切に予測できる世界を目指しています。
研究資料 薬物動態学研究室HP薬物送達学研究室
教授佐久間 信至
講師田中 佑典
助教八木 晴也
近年、研究開発が盛んに行われているバイオ医薬品と呼ばれるタンパク質医薬や抗体医薬は、生体膜の透過性が著しく低いため、注射により体内に投与されます。
この投与方法は治療の確実性に優れるものの、痛みを伴うなどの欠点もあり、経口や経鼻など、バイオ医薬品の新たな投与方法の開発が期待されています。
当研究室では、バイオ医薬品の粘膜からの吸収性を促進する新規材料を開発し、患者さんに優しいバイオ医薬品の薬物治療を目指しています。
病態医科学研究室
准教授辻 琢己
講師吉田 侑矢
基礎的研究として、実地臨床を視野に入れ、それぞれの疾患に対する予防や効果的な治療方法の開発に関する研究を行っています。
臨床からのニーズに基づく研究としては、現場の医療従事者が抱えている臨床課題について、基礎的研究(動物実験等)を行い、その成果を実地臨床に還元し、課題を解決するための研究があります。
医療薬学研究室
教授高田 雅弘
准教授首藤 誠
講師三田村 しのぶ
我々は、薬剤師の専門性を活かして、地域医療が抱える問題や、小児の服薬における課題を解決する研究をしています。
主な研究内容としては、地域住民の健康にかかわる諸問題の抽出や健康維持・増進の支援に関する研究、一般用医薬品のoverdoseや薬物乱用防止教育に関する研究、薬をゼリー化することによって苦味マスキング(苦みを隠すこと)するchild-friendlyな製剤の開発研究、一包化水剤容器の開発研究などを行っています。
社会薬学研究室
教授菊田 真穂
講師長谷部 茂
薬剤師はその専門性を活かして、地域住民の健康をサポートし、健康寿命の延伸に寄与することが求められています。
当研究室では、患者や地域住民、その他医療従事者を含めた社会全般が薬剤師や薬学に求めていることを把握し、その要請にこたえていくための問題点の抽出や課題解決につなげる研究に取り組んでいます。
具体的には、地域住民向け講座などを実施して、地域住民の健康教育を支援しています。
また、病院・薬局と連携し、薬剤師業務と直結した研究を通して、臨床現場で活躍できる薬学生の育成を目指しています。
臨床薬理学研究室
教授河田 興
准教授小森 浩二
准教授向井 啓
講師小西 麗子
臨床現場では、変わることのない高い医療倫理感を持ち、絶え間なく変わる薬学の専門知識に対応する能力が求められます。
当研究室では、臨床現場における実践的な薬物療法に関する疑問や課題を解決するための研究を行っています。
具体的なキーワードとして、周産期・小児薬物療法、副作用の評価と機序の解明、がん患者の心の支援などをテーマとしています。
薬学教育学研究室
教授奥野 智史
講師串畑 太郎
講師上田 昌宏
助手山室 晶子
ヒトの集団に対して何かを行うと集団は変化を示します。その変化の質と量を科学的に観察・分析し、次の一手を最適化し、新たな変化を再び解析して、さらなる一手をデザインします。研究の対象とする集団は、薬学生であり、薬剤師であり、その先にある社会です。何十年か先の社会と薬剤師の在り方を見据えて、教育の改善を毎年積み重ねていく。あらゆる現象から分析したデータを基にデザインした教育で薬剤師が育ち、薬剤師が社会を変えていく。そのために薬学に必要な、社会・行動教育研究を作り上げていきます。
研究資料 薬学教育学研究室HP 上田昌宏講師ウェブ記事(ファーマシストの流儀) 串畑太郎講師ウェブ記事(ラボ☆なう No. 4 串畑 太郎 助教)統合薬学化学研究室
教授小西 元美
講師田中 龍一郎
講師中谷 尊史
統合薬学化学研究室は、化学系(植物生薬や動物(昆虫)生薬に含有される新規生理活性物質の探索)や物理系(計算化学を駆使した酵素ペプチドと基質との相互作用のシミュレーション)の研究を展開しています。
我々は、これまでの既成概念にとらわれない自由な発想による新たな薬物療法の開発および新たな学際領域の開拓を目指しています。
統合薬学生物研究室
准教授西田 健太朗
准教授竹内 健治
講師伊藤 優
統合薬学生物研究室では、既成概念にとらわれない自由な発想に基づき、臨床的な課題解決を目指した基礎研究から薬用植物に関する国際共同研究まで幅広く行っています。
主な研究テーマは、「褥瘡および薬剤性皮膚障害」、「がん」および「薬用植物の分子遺伝学的研究」です。褥瘡や薬剤性皮膚障害については、細胞死を制御するメカニズムの解明による重篤化防止に向けた基礎研究を行っています。また、がんについては、分子標的抗がん剤やベトナム産植物由来成分の抗がん作用を分子レベルで研究しています。薬用植物の分子遺伝学的研究では、ゲノムデータを用いた隠蔽種の探索を行っています。
学びの創造性研究室
教授大塚 正人
講師岩﨑 綾乃
講師山澤 龍治
研究室名の「学びの創造性」は、“学びとは決められた知識を蓄積していくだけではなく、学習者がそこから新たな知見や思想を創造・発信出来る事”を示しています。主な研究テーマは、薬剤排出トランスポーターMATEの構造・機能と生理的役割に関する研究、多剤排出トランスポーターMATEを利用した薬物相互作用の解析、「食物繊維と薬」の相互作用の研究、初年次教育におけるチームビルディングと、その学習効果に与える影響の研究、生命倫理に関する意識調査の研究、動画教材による教育効果の検証などです。
研究資料